嫁「幼馴染ちゃんって本当に良い子だね、これからも俺君をよろしくね」俺&幼馴染「勘弁してくれ気持ち悪いw」→嫁の容態が急変し・・・

なんとなく立ててみた
>享年何歳?
5年前、27の時に
>27か…つらいな
元々体が強いわけではなかったけど、
心筋梗塞でいってしまった
>いつからの付き合いだったの?
二十歳の時、バイト先で出会って24の時に結婚した
>7年しか一緒にいれなかったのか…
26の時に生まれた娘は1年しか母親といれなかった
それにくらべれば
>もう、気持ちの整理はついてるの?
なんと思われるかはわからんが、再婚の報告をしてきたんだ
>いい人に巡りあえて良かったな
>ええ人なんか?子供は馴ついとるか?
色んな経緯があったんだけど、俺の幼馴染と結婚する
娘はなついているよ
>きっと、亡くなった奥さんも理解してくれてるよ
嫁さんも、幼なじみも仲良かったし
喜んでくれているかな…とは思う
>なんか吐き出したい事でもあるのか?
ここに至るまでの話聞いてもらいたかったんだけど
>娘さんがなついているのは本当に良かったな
それは本当に救いだった
>なんだよ嫁一筋男手一つじゃなかったのか残念
そうなるかと思ってたし、そうするつもりだったんだけどな
元々、幼なじみと出会ったのは5歳ぐらいの時
近くの公園で砂場いじってた俺に幼なじみが砂かけたのが多分最初
30年近く前の事だけどやたら鮮明に覚えてる
砂を頭からぶっかけられたもんだから、俺大号泣
すぐに近くにいた幼なじみの母ちゃんが謝りに来て
幼なじみに怒ったんだけど
これまた近くで見ていたうちの母ちゃんが何故か俺の頭を引っ叩いて
「男の子なんだからメソメソすんじゃない!」って怒られた
その日から俺と幼なじみは所謂公園友達になった
幼稚園は違ったけど近所だし多分毎日遊んでた、
しばらくしたら将来結婚するとか
お互いに言ってたみたい
その頃の写真見るとほっぺにチューされてるのとかもあった
ちょっとたって小学校にあがると、今度はケンカ友達になった
ちょっかい掛けて、追っかけっこするとかそんな感じ
高学年くらいになるとお互いに異性を意識する感じになったのか
全然喋らなくなったけど
幼なじみとは中学も同じ学校に進学したけど、
これまた二人で会話する事なんて殆ど無かった。
たまに外で親絡みで話すくらい。
でも中学二年の時に起きたあることをきっかけに、
また幼なじみとの交流が始まった
きっかけっていうのは幼なじみがいじめられた事。
バレー部のエースで学年一のイケメンに告白されたのに振ったことが
原因で学年中の女子から総スカンくらったみたいだった。
当時、幼なじみと俺はクラスも違ったから
全然その辺りは気づかなかったんだが
どこからか情報を仕入れてきたうちの母ちゃんからその話を聞いた
母ちゃん「あんた、あの子が学校行ってないの知ってる?」
俺「いや、知らん…いつから?」
母ちゃん「4,5日前からみたい、そっかあんた知らんかったか」
みたいな会話だった
翌日学校行ってみると、やっぱり幼なじみはいなかった
母ちゃんの雰囲気からなんとなく
体調不良で休んでるわけじゃないってのはわかったから、
幼なじみと同じクラスだった部活の友達に色々と聞いてみた
んでわかったのは、学年中の女子からいじめられてるってことだった。
事情がわかったからといって俺がしてやれることなんてない、
なにより中学校に入ってほとんど喋ってないんだし、
向こうが俺のことを友達って認識してるかすらわからなかったし。
今思えば冷たいと思うけれど。
それから更に数日たって、幼なじみのクラスの担任に呼びだされた。
要件は幼なじみの家に配布物を届けて欲しいって事だった。
「普通こういうのって同じクラスの人が持ってくんじゃないっすか?」
って聞くと
「俺くん彼女の幼なじみなんでしょう、
だったら持ってってあげてもいいんじゃない?」とか言われた
あっ、この野郎幼なじみがイジメられてる事も、
その理由も分かってやがるなって中学生の俺でもわかった
とてもじゃないけど断れる雰囲気じゃなかったので幼なじみの家に行った。
幼なじみの母ちゃんもだいぶ憔悴してたな、
なんか俺の顔見て泣きそうになってたし。
んでしばらくすると幼なじみがリビングに降りてきた
幼なじみ「あんたが来たんだ」
俺「おう…ほらプリントとか持ってきた」
幼なじみ「クラスのやつじゃなくてあんたか…」
俺「なんかごめんな」
幼なじみ「なに、わざわざ同情しに来たの?」
俺「そういうわけじゃないけど、
こんなことになってんの気付かなかったし」
幼なじみ「別にクラスも部活も違うししょうがなくない?」
多分こんな会話したと思う、2年ぶりにしたまともな会話だった
どうやら幼なじみの母ちゃんも幼なじみがイジメられていることを
知ってはいたらしいんだが、学校側がとり合ってくれなかったらしい
当時はまだまだそんな時代だったのかね
少したって、会話もちょっとずつ弾んできた
と言っても小さいころの思い出話がほとんどだったけど
幼なじみの母ちゃんはわざと席を外してくれていたみたいだった
ふと唐突にこんなことを聞きたくなった
俺「そんで、やっぱり学校には来たくない」
幼なじみ「そうね、いや」
俺「お前、こういっちゃなんだけど
女に総スカンくらったくらいで学校休むタイプじゃないだろ?」
幼なじみ「うん、自慢じゃないけど」
俺「なら、なんで来ないのさ」
幼なじみ「私の仲良しまでいじめられちゃうじゃん?」
俺「は?」
幼なじみはこれくらいの事でへこたれるメンタルじゃなかった
いや寧ろ、子供の頃から超がつくほどのドSで
男女年齢問わず喧嘩したら相手が泣くまでやめないような女だった
実はこのイジメ、当社は幼なじみに対してずっとしていたらしいのだが
幼なじみはこんな感じの性格。
痺れを切らしたイジメの中心グループが、
幼なじみの親友をターゲットに変えていじめ始めたらしかった
この辺の説明は今はっきりと思い出せないんだけど、
とにかく幼なじみはその子を守るために
自分から学校に行かないという選択肢をとったみたいだった
とはいっても、話を聞けば聞く限り幼なじみは全く悪くない
俺「そっか…それでお前はいつになったら学校くんのさ」
幼なじみ「さぁ、わかんないよ」
俺「ずっとこない気なのかよ」
幼なじみ「かもしれないねぇ」
俺「親友がイジメられるから?」
幼なじみ「も、あるけど…親友にシカトされるのわかってて
学校行けるほど強くないよね」
俺「わかった、なんとかしよう」
何で無責任になんとかしようなんて言ったのは今でもわからないけど
ただなんとかしたかったんだと思う。
そこからの動きは早かった、件のバレー部のエースに連絡を取り、
味方になってくれるように頼み
翌日からは虱潰しに学年中のやつらに声をかけ
こんなことやめるように言っていった
イジメの中心グループにも声をかけたが、
キモいだの彼氏かよテメェとか罵られて一向に相手にされなかった
仕方ないので幼なじみが子供の頃、俺にしてきたことを淡々と話し、
あいつがどれだけやばい女かということを説明した
その場ではだからなんだよだの、脅しになってねぇぞとか言われたが
見てわかるくらいに彼女たちの顔が青ざめていたのを覚えてる
イジメの中心グループに声を掛けた何日か後に、
幼なじみは何食わぬ顔で登校してきた
どうやらイジメグループの女から謝罪の電話があったらしかった
「やたらビビってたけどあんた何か言ったの?」
って聞かれたから話したことをありのまま教えた
直後後頭部をかばんで思いっきりどつかれた。
多分ナグられたのは小学生以来だった
それから俺と幼なじみはなんとなく仲良しになった。
高校も同じ高校に進んだが、
別に付き合ったり二人きりで遊んだりすることもなかった。
お互いに付き合う相手ができて、
たまに一緒に帰るとお互いの恋愛の近況報告をするってな感じ。
大学は別々の学校に進むことになった、幼なじみは女子大に進んだ。
大学生活はとにかく楽しかったんだが、遊びすぎて稼いだ分消えてく始末…
飲食店のバイトと派遣のバイトをやってたんだが
もう少し食い扶持を増やさねばと塾講師のアルバイトも掛け持つことにした。
いつしか幼なじみの存在も中学生にはいった頃のように薄くなっていった。
元々子供が好きだったし塾講師のバイトは結構楽しかった。
チェーン展開しているようなところでもなかったから自由だったし。
そこに入ってから半年ぐらいたった時、嫁さんがアルバイトとして入ってきた
嫁との出会いは電撃的でもロマンチックでもなかったと思う
塾のバイトは学生バイトの場合は意外と入れ替わりが激しいし、
あぁまた新しい人が来たんだなぁぐらいの感じ
第一印象で可愛い子だなとは思った、背が小さくて丸顔
ほっぺたが特徴的な女の子だった
目が合うと元気よく挨拶してくれたし、多分性格もいい子なんだろうな
なんて思った
実際しばらく一緒に働いてみると、第一印象通りに良い子だった
生徒にも明るく丁寧に接するし、中の人間にもとても気が使える
授業の前の準備なんかも一生懸命やってるし、
仕事に慣れてくると後から入った先生へのフォローなんかも
しっかりしていた
別にそれだけで好きになるなんてことはなかったけど、
やっぱり見た目が可愛いなんていうこともあって、
多分目で追っちゃってたりはしたと思う
たまに目が合うとニコって笑ってくれて
柄にもなく照れてしまったのを覚えてるし
そんなある日、たまたま嫁さんと二人だけで
ラストのコマまで回すことになった
普段なら二人の内、一人は社員さんなんだけどその日は用事があるとかで
アルバイトの俺達二人でやることになった
彼女は高校生、俺は別の部屋で中学生向けの授業をやっていた
授業が終わると先生が待機する事務室ってのがあったんだが、
毎度中学生の授業となると悪ガキどもと授業終わりに
くだらん話をしていたので、この日も事務室に戻るのは結構遅くなった
事務室に戻ると、机に突っ伏してる嫁さんがいた
てっきり授業で疲れきってぐったりしてるのかと思ったんだが、
どうやら違うようだった
おもいっきり鼻水すすってる音がしたからだ
俺「どうしたんすか、大丈夫?」
嫁「大丈夫です…」
俺「いやでも、そんな感じだし…なんかあったんすか?」
嫁「生徒の親御さんに怒られたんです」
どうやら俺が馬鹿話に講じていた時、彼女が担当している
小学生の子供の親が教室に押しかけてきたらしい
平たく言えばうちの子の成績が上がらないのはあんたのせいだ、
この給料泥棒なんてことを
2,30分玄関先でずっと言われ続けたみたいだった
塾の講師やってる奴はなんとなく
こういう親にあたったことあるんじゃないだろうか
普段なら社員が対応してくれるんだが、
この日に限っては嫁さんが直接応対するはめになった
それぐらいで泣くなんて、やっぱり女の子だなぁとも思ったが
話を聞いてみれば、嫁が泣いていた理由は怒られたからってだけではなかった
みたいだった
自分がうまくいかないせいで、
塾のみんなの迷惑になっちゃうんじゃないかと思うと悔しかった
あぁ悔し泣きだったのか…これ
その日まで仕事上の話と塾の飲み会ぐらいしか嫁と接点はなかったが
何故かその日の俺はちょっと大胆だった
俺「この後飲みに行きませんか?愚痴聞きます」
嫁はちょっと驚いた表情だったけど、すぐに椅子から立ち上がると
「じゃあ顔洗わなきゃですね!」なんて元気よく言って洗面所に入っていった
塾を出ると、二人で近くのチェーンの居酒屋に入った
最初の一時間は愚痴を淡々と聞いた、ひとしきり嫁さんの気持ちが落ち着くと
今度はお互いの話を始めた
大学のこと、地元のこと、友達のこと、家族のこと
彼女が地方出身だということをこの日初めて知った、なまりとかないんだね
なんていうとうちの方はほとんど標準語ですよなんて言ってた
家族はおばあちゃん、お母さん、お姉ちゃん。
お父さんは若い頃に亡くなったらしかった、その話を聞いて神妙な顔をしたら
「でも、みんな仲良いからお父さんいなくても寂しくないんですよ」
なんて彼女が逆に気を使ってくれた
この日から、俺と嫁はバイトが一緒になると帰りに飯に行くようになった
ただ本当に友達として、付き合うでもなく多分心地よかったんだと思う
そんな感じがしばらく続いたある日、嫁がえらく酔っ払った日があった
いつもならお酒飲んでニコニコっとするぐらいなのに
様子がおかしいなと思ったら、ベロッベロに酔った嫁から急に告白された
付き合ってくれ―って
あまりに驚きすぎたので瞬間断ってしまい、
その日から急激に嫁とは距離感が生まれた
断ってからの一ヶ月、なんとか変な雰囲気をなくそうとしたけど
全くうまくいかなった
嫁の方もそんな感じ、必要以上に明るく接してきたりとか
でもそんな時タイミングよく、二人で塾の子供向けのパーティーの
幹事を二人ですることになった
結構この幹事の仕事が大変、授業の終わりに催し物考えたりとかするし
必然的に二人での作業も増える
後から分かったことだけど、これ塾の社員さんの差金だった
結果的にパーティーは大成功だった、子どもたちもかなり喜んでくれたし
そして俺と嫁さんの仲はこれを機に一気に縮まった
二人でご飯行くとかだけじゃなく、映画館とか、遊園地とか
所謂デートって奴をするようになった
とても都合がいいかもしれないが、俺は嫁の事が大好きになっていた
いや思えば告白されたあの日には好きだった気がする、
驚きすぎてわけのわからない対応をしてしまったんだと思う
大学三年の夏休み、二人で行った花火の帰りに俺は嫁に告白した
嫁は満面の笑みで応えてくれた
嫁と付き合い始めてからしばらくたったある日、
嫁と近くのショッピングセンターに遊びに行ってたところを
うちの母ちゃんに見つかってしまった
「おいおい、その可愛いおねぇちゃんは彼女かい?」
とかウキウキな感じで話しかけてくる母ちゃん、
絶望感に打ちひしがれる俺
そんな俺の様子を知ってか知らずか
「はい!お付き合いさせていただいております!」
なんて元気よく挨拶する嫁
母ちゃんが考えた我が家の家訓はいつも元気に挨拶するべしだったので、
母ちゃん的には嫁さんをすぐ気にいったみたいだった
その流れで三人で飯食う羽目になり、
挙句そのままうちに来ることにまでなった
三人で家に帰れば何も知らないパンツ一丁の親父がリビングに
親父完全にキョトン顏
母ちゃんが「ほら、うちの若様が彼女連れてきたよ!」
なんていったら大慌てで退場、お気に入りのワイシャツ来てから再登場した
四人の会話はいたって普通、
母ちゃんはなんか嫁さんにいろいろ質問してた、
親父は若い女の子と喋る機会が無いのか妙にデレデレしてた
結局夕飯も食べて行ったんだがみんなで楽しく過ごした
嫁さんは一人暮らしだからこういう家族の感じが嬉しいって言ってた
うちは子供が俺だけなんだが、本当だったら俺の下に妹がいるはずだった
生まれてすぐ死んでしまったんだけど、そういう経緯もあって
両親共嫁さんが娘の様に思えて嬉しかったんだと思う、
実際結婚してからうちの両親は嫁さんを本当の子供の様に接していたし
それからまたしばらく経ったある日、急に幼馴染みからメールが来た
「なにしてんのさ」みたいな
「彼女と飯食ってるよ」って返信したら、
「ほう、幼馴染みとしてあんたの嫁さんを見定めてやろう、
どこでご飯食べてんだ」
なんて返信がすぐさまきたから俺は頭を抱えてしまった
嫁さんはほんわか系、幼馴染みはドSの一匹狼、
こんな二人がはたして合うんだろうかと
結局嫁さんも「幼馴染みちゃんの話聞いてたからね会ってみたい!」
というので不安を抱えつつ場所を変え三人で飲むことになった
結論から言うとこの2人めちゃめちゃウマが合った、
というか途中から女子会に俺が参加してるみたいな構図になってた、
幼馴染みが自分から人に連絡先聞くなんて本当に無いことだから
驚いたのを覚えてる
「もしこいつに酷いことされたらすぐに連絡して、石でナグってやるから」
という言葉も強烈だったので覚えてる
子供の頃、喧嘩した時
公園の石で思いっきりナグられた過去があったからだと思う
その他にも顔面グーパンチとか日常茶飯事だったし
ちなみに中学の時、幼馴染みをいじめてたグループに話したのはこの話
そりゃ電話で慌てて謝るわな
>幼馴染さんは彼氏いたの?
ちょいちょい出来てたみたいだけど、長続きした事は無いみたい
付き合ってから半年ぐらい過ぎると、
嫁さんが一人暮らしということにかこつけて
嫁さんちに入り浸るようになった、
一緒にご飯食べてまぁやる事やって寝るという感じ
ある日の朝いつも通りにお互い下着姿で寝てたら、
ふいに家のドアが開いて直後に怒鳴り声が聞こえた
嫁さんのお姉さんだった
どうやらたまたま近くを寄ったので連絡なしで来たらしい
下着姿で正座してお姉さんに怒られる2人、
服を着たかったけどそんなこと言える雰囲気じゃなかった
お説教がひと段落するとふいにお姉さんにこんなことを聞かれた
「それで、君はこの子との事をどこまで考えてくれてるわけ?」
唐突だったけど別にこの場を誤魔化すためじゃなく、
結婚したいですって言った
たぶん声は上ずってた
嫁さんは下着姿のまま俺に飛びついた
それを見たお姉さんは服を着ることを許してくれた
楽しかった大学生活はあっという間に過ぎた、
俺は普通の会社の営業に、嫁さんは保険会社の営業になった
俺の方はまぁそこまできつい仕事じゃなかったんだが、
嫁さんはかなり辛そうだった
チャームポイントのほっぺはもうこけてしまいそうだったし、
2人で会っていると無理に笑顔を見せているのがすぐにわかった
俺は考えた、こんな辛い顔をさせるくらいなら
いっそ結婚してしまえば良いんじゃないかと、
もともと結婚願望強かったし、何より嫁のこと愛してたし
お互いが社会人になって一年が経った時、俺は嫁さんにプロポーズをした
俺の奥さんに再就職しない?って今考えてもダサいけど
嫁さんはまた満面の笑みで応えてくれた
それから可愛い可愛い娘ができた、
生活はきゅうきゅうだったけど本当に幸せな時間だった
休みになると家族で出かけてたくさんの写真を撮った
娘の寝顔が可愛くて仕事疲れも吹っ飛んだ
こんな感じがずっと続くのが人にとって一番の幸せなんだと思った
嫁と娘のためならどんな事だって乗り切って頑張れる気がした
娘が生まれてしばらくして俺の娘誕生祝いという体で
中学の同窓会が開かれた、もちろん幼馴染みも出席した
幼馴染みは一定の酒量を越えると厄介さんになる体質だった
怒→笑→怒→泣 みたいな感じで俺を含め周囲に絡みまくってた
相当酔ってたので、帰りは俺が送る事になった
この辺の記憶が曖昧なんだが何故か俺の家に幼馴染みが来ることになり、
それを嫁に電話で伝えるとえらく喜んでいた
家に着くなり泥酔状態で嫁と喋る幼馴染み、嫁さんも楽しそうだった
一時間ぐらい経った時嫁さんが不意に変なことを言った
「幼馴染みちゃんって本当にいい子だね、俺君をこれからもよろしくね」
なんの脈絡もなく急に出た言葉だった
その時はからかわれてるんだと思って
幼馴染みと二人揃って「勘弁してくれ、気持ち悪い」だなんて返した
それから数ヶ月後、俺が出張で一週間程家をあけることになった
せっかくだし実家に帰ったらと嫁に言うと少し悩んだ後、
それじゃあ行ってこようかなと娘を連れて田舎に戻る事に
出張4日目の夕方、宿泊先のビシネスホテルに戻っていた俺に
嫁の母親から電話があった
嫁が死んだと
その日、嫁さんと嫁さんのお母さん、おばあちゃん、娘の四人で
少し離れたデパートに買い物に行く予定だった
でも朝、急に嫁さんが体調よくないから三人で行って来てと言ったらしい
嫁さんのお母さんはそれなら今日は行くのやめにしようと言ったみたいだが、
家で一人で寝てれば大丈夫だから三人で楽しんできてと
心配するお母さんを送り出したっていうことだった
嫁さんの父親が若くして亡くなったのは心臓の病だったらしい、
嫁さんも子供の頃からあまり心臓が強い方ではなく、
出産の時もその辺が心配だったが
なんとかその時は安産だったし母子ともに健康だった
嫁さん、実家のソファーで寝ているように死んでたらしい
三人が帰った時にはもう遅かった
電話を切ってから通夜まで、あっという間に流れていった
どこか現実味がなくて信じられない気持ち、薄情かもしれないけど
嫁さんの顔を見ても呆然とするだけだった
通夜と葬式は嫁さんの実家の方でする事になった、
うちの家族と話を聞いた幼馴染みが飛んできてくれた
通夜の前まで娘は何も分からずにいつも通りにしていたのだが、
子供でもその場の雰囲気の異様さに気づくのか途中から大泣きしてしまった
嫁さんのお母さんやうちの母ちゃんや俺が
なんとか泣き止まそうとするんだが泣き止まない
いつもなら泣き疲れると眠るんだけど
この日に限っては本当にずっと泣き続けた
そんな娘を見て周りの人も泣いてた
>娘はなんて言ってた?
当時一歳くらいだから、わーわーって感じで泣いてるだけだった
不意に幼馴染みが娘を抱っこした、
優しくあやすって言うよりもぎゅっと抱きしめる感じだった
不思議なことに娘は泣き止みしばらくすると寝てしまった
嫁を送った後、数日を置いてから娘を連れて自宅に戻った
うちの母ちゃんも家に来てくれた
夜になると「あんたも一人で思いたい事もあるでしょう」
と娘を実家に連れて行った
一人になって部屋の中を見渡した時、急に涙が出てきた
こらえようとしても止まらなかった
情けないぐらいわんわん泣いた
嫁さんにもう二度と会えない、あの笑顔をもう見れない
半年経った時、嫁さんのお母さんから
娘を引き取りたいという話が来たが断った
大変なのはわかっていたが、
嫁さんの忘れ形見をちゃんと育てようと改めて決意した
嫁さんのお母さんも、わかってくれた
俺は嫁さんと暮らしていた家を引き払って実家の近くに引っ越した
保育園に預けるくらいならうちで面倒見る
といってくれた両親に甘えた形だった
それから2年、うちの母ちゃんがガンになった
治る見込みは充分にあったが、長期の入院、その後も再入院が必要で
とても娘を見ていられる状況ではなくなった
今度こそ保育園しかないかと思った時、幼馴染みから電話があった
お母さん大変なんでしょう、うちで娘ちゃんと日中遊んであげるよ、
私実家だし在宅の仕事多いからと
有難い話だがいくら何でも悪いと思って何度か断った
でも、うちのお母さんも手伝いたいって言ってるから
気にしないでたよんなさいよと言ってくれたのでお世話になることにした
嬉しいことに娘はよく幼馴染みとお母さんに懐いた、
2人も娘をとても可愛がってくれた
4歳で幼稚園に短時間でも行くようなると迎えもやってくれた
甘えすぎだとは思ったが本当に助かった
休日ぐらいは父親らしい事してやろうと
とにかく娘と一緒にいることにしていた、
女の子っぽいところに行く時には幼馴染みも付いてきてくれた
また中学の同窓会が開かれる事になった
最初は娘のこともあるし行く気が無かったのだが、
どこからか聞きつけた幼馴染みの母ちゃんに
たまには飲んできなさいと言われたこともあり出席することにした
みんな知っているだろうけど不思議なぐらい嫁さんの話には触れなかった、
気を使ってくれていたんだと思う
なんか変な空気だったけど、
その雰囲気をぶち壊すかのように幼馴染みが酔っ払った
周りに絡みまくる絡みまくる
俺もバンバン叩かれまくった
そのうち幼馴染みは酔いつぶれた
その会には中学時代バレーボール部のエースだったイケメン君もいたんだが、
彼が俺に突然話しかけてきた
ちょっと酔ってる様子だった
泥酔して寝に入ってる幼馴染みを見ながら彼が語る
「俺が幼馴染みちゃんに振られたこと覚えてるだろ?」
「おう、覚えてるよ」
「あの時は悔しくて言えなかったんだけど、
彼女に好きな男がいるって言われたんだよ」
「初耳だね」
「多分それお前だよ」
「まさか、あの頃は殆ど喋らなかったんだぞ」
「いいや、あれは絶対にお前だ」
なにをわけわからないことをと考えていると彼はまた続けた
「この子お前がいないと飲み会誘ってもこないしよ、
ごめんな変な話しちゃったかな」
ここまで言うと別の席の女の子に呼ばれたイケメンは俺の横から離れた
飲み会が終わり、泥酔した幼馴染みをおぶりながら
幼馴染みの親友と三人での帰り道
親友ちゃんも酔っ払っていたのかいつもより少し饒舌だった
話す内容といえば、中学の頃の話、
幼馴染みの話、俺の子供の話ぐらいだったけど
親友ちゃんとの分かれ道、ふと彼女は立ち止まると俺を見て呟いた
「この子不器用なんだよ、わかってると思うけど」
「今は無理かもしれないけど、いつかしっかりと見てあげてね」
不器用だけど優しいやつなのはわかってた
この同窓会の後頃になるとうちの母ちゃんは完全復活していた
娘も見てくれるようになり、
幼馴染みの家に娘が行くのはたまのお泊まりとかのみになった
幼馴染みの家でのお泊まりから娘が帰ってきた夜、
娘が急に泣き出して止まらなくなる日があった
いつもなら泣き止む手を使ってもなかなか泣き止まない、
どうしようかと頭を抱えていた時、幼馴染みからの電話がなった
「娘ちゃん、大丈夫?ちゃんと寝れた?」
「これがずっと泣いちゃって、アンパンマンのDVDも効果なしだよ」
「そっか、私明日休みだし今から行こうか」
「流石に悪いしいいよ」
「いいって、とりあえずすぐ行くね」
この時点で嫁さん亡くなって3年くらい
近所ということもあって2、3分で幼馴染みはやってきた
なんとも複雑なことに幼馴染みがやってきた途端、娘は泣き止んだ
それからすぐに疲れたのかしばらくすると寝てしまった
それを見て早速帰ろうとする幼馴染みになんだか悪い気持ちになって、
寝顔見ながら一杯飲んでけよ最高のつまみだぞなんて言って引き止めた、
幼馴染みも一杯だけねなんて言って付き合ってくれた
「こうやって、嫁さんと娘の寝顔見ながら晩酌したよ」
「そうか、確かに最高のつまみだわ」
「いつもありがとな、助けてくれて」
「良いよ、私娘ちゃん大好きだし食べちゃいたいくらいだし」
いつも通りの軽口の叩き合いだった
でも、俺のひょんな一言で幼馴染みの雰囲気が変わった
「娘もすごくお前に懐いてるしな」
「…そうだね」
「どした?」
「懐いてるってさ、なんか他人行儀だよね」
「いや、そんなつもりじゃ」
「親に懐くとか言わないじゃん」
「私、娘ちゃん本当に大好きなのよ、本当に本当に」
「自信過剰かもしれないけど
娘ちゃんも私のこと好きではいてくれてると思う」
「でもさ、やっぱりふと思うのよ」
「私はこの子のママじゃない、ママにはなれないんだって」
そう言うと幼馴染みは下を向いたまま、涙をボロボロ流して肩を揺らし始めた
俺はそんな彼女に何も声をかけることもできず、部屋の中は静まり返っていた
不意に幼馴染みが立ち上がった
「わけわかんないよね、ごめん」
そういうと彼女は逃げるように家を出て行った
そんなことがあった週の土曜日、
珍しく親父からすぐに実家に来いとの電話があった
実家に戻りリビングに入ると親父と母ちゃんが真剣な表情で座っていた
一緒にいた娘はすぐに母ちゃんが別の部屋に連れて行った
「なんだよいきなりどうしたんだよ?」
「お前、幼馴染みちゃんのことどう思ってるんだ?」
「どうって、本当に感謝してるよ」
「付き合ってるのか?」
「まさか、付き合ってないよ」
「そうか、なら結婚する気もないって事だな」
そう言い終わると、親父はものすごい形相をして俺の顔面をナグった
あまりにいきなりすぎて何が何やら訳がわからなかった
「馬鹿野郎」
自慢じゃないが、生まれて初めて親父にナグられた瞬間だった
幼馴染みが泣いたあの日、
どうやら親父はたまたま日課のウォーキング中にうちの前を通り、
さらにうちから泣きながら出て来る幼馴染みを見たらしかった
「あの子には感謝しても感謝しきれない、頭も上がらない。
あの子がいなければ娘は本当に寂しい思いをしてたんだぞ」
「わかってるよ」
「わかってない、お前は何にもわかってない」
「じゃあ親父は何がわかってるんだよ!」
真昼間、酒が入ったわけでもないのに大の大人が大声張りあげ合う
「向き合え!娘のためにも嫁ちゃんのためにも、
幼馴染みちゃんのためにも、男だろ!」
ナグられた痛みなんか一瞬だった、本当のパンチはこの言葉だった
その日の夜、幼馴染みが家にやってきた
この前変な雰囲気で帰ったお詫びだとビール数本とおつまみを持って
娘は幼馴染みが来たことでテンション最高潮、
アンパンマンのチョコレートを貰って興奮の坩堝だった
娘が眠り、幼馴染みと二人での晩酌の時間になった時
親父の言葉が頭の中に浮かんだ
「なぁ」
「ん、なに?」
「変なこと言うけどさ」
「もしこの子のママになってくれないかって言ったら」
「うん」
「お前なんて答える」
情けない話だけどこの時の俺には精一杯の向き合いだった
「それは…無理な話かな」
「娘ちゃんのママは嫁ちゃんだけなんだよ」
「だから私には無理だ」
「私にはできない」
「おう、そうか…変なこと言って悪いな」
「酔ってんじゃないのおじさん、らしくないぞ?」
この会話から、幼馴染みと少しの間距離ができた
お互いに気まずさを持っていたんだろうけど、1日2日では修復できなかった、
それでも半月もたつと以前と同じような間柄には戻れていた
それからさらに少し経ったある日、また幼馴染みがうちに遊びに来た
またもや娘はテンション最高潮だった、
マサイ族並みのジャンプで幼馴染みを歓迎してた
幼馴染みもいつも通り娘にハグして嫁似のほっぺたに頬ずりしてた
「可愛いなぁいつも、パパに似なくて良かったねぇ」
とか余計なことも言ってた
しばらく三人で人形遊びをして、
娘がハンバーグ食べたいと言ったから夕飯に近くの洋食屋へ出かけた
娘は幼馴染みがいる上に大好物のハンバーグを食べるという幸福感からか、
ハンバーグを一口食べては幼馴染みに抱きつき、
また食べては抱きつきを繰り返していた
俺がお行儀悪いからやめなさいと注意してもなかなかやめない
だけど、幼馴染みがダメでしょ!というと一発で言うことを聞いた
あぁ、やっぱり父親としてまだまだダメなんだなぁと
感傷に浸っていたその時、娘がとんでも無いことを言った
「お母さんごめんなさい」
その場の空気が一瞬止まった、
言われた幼馴染みは驚いて何も返事が出来ない状態だった
「幼馴染みおねぇちゃんはお母さんじゃないの?」
「違うよ、幼馴染みおねぇちゃんはママじゃないんだ、
娘ちゃんのママはお空に行ったんだよ?」
娘が続けて喋る、
俺は娘が私のママはどこにいったのと聞かれた時の言葉で返す
「知ってるよ、ママはお空に行ったんだよね」
「そうだよ、だからね…」
「ママとお母さんは違うんじゃないの?」
「えっと、それはね…」
俺が答えに窮していると
さっきまで動かなくなっていた幼馴染みが急に笑い出した
「そうか、ママとお母さんは違うのか!面白いな娘ちゃんは!」
幼馴染みの急激なテンションの上がり具合に
今度は俺と娘が驚いて黙ってしまった
とてもじゃないけど、冗談も返せなかった
洋食屋からの帰り道、熟睡状態の娘をおぶり三人で歩いている時、
幼馴染みがふとさっきの話に戻った
「ねぇ?」
「ん?」
「面白いよね、ママとお母さんは違うって」
「なんとも子供ならではの発想だよな」
「でもあれでなんか吹っ切れた、あんたさ、
私にこの前あの子のママになってって言ったよね」
「うん言ったね」
「私あの時も言ったけどママにはなれない、嫁ちゃんには絶対になれないの」
「わかってるよ」
「でもね、私お母さんにだったらなりたいかな」
「本気で言ってんのかよ?」
「本気も本気よ、30超えた女こんな事冗談で言えないって…どう、嬉しい?」
「お、おう…嬉しい」
「ならさ、聞かせてよ」
「あんたは私の事、女として好き?」
「私はあんたのこと5歳からずーっと好きだった、でも素直に言えなかった」
「お前彼氏いたろうがよ」
「この歳で男性経験無い方が異常でしょ?」
「まぁそうだけどさ」
「あんたのこと好きだったのに、素直になれないし、
そうこうしてるとあんたちょくちょく彼女作っちゃうし、
そりゃこっちだって作りますよ」
「嫁ちゃんとあんたが結婚した時、正直悔しかった、
でも嫁ちゃんのことも大好きだったから
心の底から二人に幸せになって欲しかった」
「私が娘ちゃんを可愛がるのはこの子が可愛いってからだけじゃないの、
娘ちゃんが私が好きだった嫁ちゃんとずっと好きだったあんたの子供だから」
「もしあんたが私を女として好きじゃなければ、
無理にはしないほうがいい、このままの関係でも充分だもん」
「でも嫁ちゃんと娘ちゃんの次でも良い、私の事も好きになってくれるなら」
「私を娘ちゃんのお母さんにしてください」
「おう」
「おうってなによ」
「いや、好きです」
「俺と結婚して、家族になってください」
「たまには素直な言い方も出来るじゃん」
唐突な話だった、でも迷いはなかった
嫁に続き2回目のプロポーズ
街灯の明かりぐらいしかなひっそりとした近所の見慣れた道だった
嫁への気持ちは変わらないが、一方で確かに幼馴染みに好意を持っていたし、
幼馴染みなら娘を本気で愛してくれると思ったから
ふと気づくといつの間にかおぶっていた娘が起きていた
寝ぼけているようだったが、「お姉ちゃんがお母さんになってくれるってさ」
と話すと嫁似のほっぺたを両手で挟んではにかんで、また眠ってしまった
翌日、互いの両親に挨拶に行った
幼馴染みの両親は意外な迄にあっさりと受け入れてくれた
うちの方は母ちゃんが「大変な思いをするかもしれないけど、大丈夫?」
とか聞いてたが、幼馴染みの「はい」の一言に納得した様子だった
親父は「息子と孫娘を宜しくお願いします」って言いながら頭を下げていた
さて俺にはもう一つ話をしなければならない家族がいた
嫁の家族だ
電話をかけると、お母さんはとても喜んでくれた、
あなたが選んだ人なら間違いないむしろ今までありがとうとまで言ってくれた
そして日曜日、俺は娘と幼馴染みと三人で嫁さんの墓参りに行ってきて
手を合わせてきた
娘は小さな手を合わせながら嫁に一生懸命語りかけていた
幼馴染みも手を合わせてただずっと目を瞑っていた
月曜日から金曜日まで、幼馴染みと娘の2人で嫁さんの実家に行ってる
幼馴染み曰く、嫁ちゃんの育ったところを見たいんだと
嫁さんのお母さんの厚意で二人とも家に泊めてくれる事になった、
俺は仕事があるから行けなかったけど、毎晩娘から電話がかかってくる
久々に田舎のおばあちゃんに会えて嬉しいんだと思う
これで終わり、聞いてくれてありがとう
>幸せになるんだよ涙がとまらんよ
ありがとう、今でも十分すぎるくらい幸せなんだけどね
>幼馴染に子供出来たらどう変化するんだろうな
何度かその話したんだが、幼なじみは作る気ないの一点張り
その辺りは今後も話していくよ
>なんかその幼馴染は自分の子供が出来ても大丈夫な気がするなぁ うん俺もそう思うよ